手の接触を減らす、足で歩行者横断ボタンを押す
オーストラリアデザイン集団が提案するキックする「Dropkick」

アフターコロナの時代を生きていく私たちのなかで、これまで当たり前のように手で触れていたものに感染リスクが潜んでいるのではないか、と思うことも増えていくことだろう。

オーストラリアのデザイン集団「Foreword」が公開した「Dropkick」は、手ではなく足で押すボタン、つまりキックするために設計された歩行者横断用ボタンである。

オーストラリアでは、大人の腰の高さにある歩行者横断用ボタンを足で押す人が多いようだ。誰もが不衛生だと感じていたところに新型コロナウイルスが蔓延し、ボタンの不衛生さは一段と感じられるようになった。

そこで、手で触れないように、ポールの根元にボタンを設置することを提案するのが「Dropkick」である。足で押すので感染リスクは減るだろうし、そもそもこうしたボタンは信号をすぐに切り替えられるのではなく、押すことで信号待ちのイライラを軽減するプラセボ効果を与えてくれるものだそうだ。

歩行者ボタンとしては、同国の工業デザイナー David Woodが1970年にデザインした「PB/5」ボタンが現在でも使われているが、これにインスパイアされた「Dropkick」は、カプセル型のボタンにすることで、どの方向からでも押せるようになっている。

また、バックライトが光を放つので、夜間はうつむいてスマホだけしか見ていない人に注意を促したり、ドライバーの安全を守るライトとしても機能するという。

アルミ製なので強度や耐久性があり、内蔵したスピーカーからはバイオフィリックなサウンドが流れたり、スマホに没頭している人に警告音を発することも可能だとしている。End