英の電気自動車メーカーArrivalが
コロナ後の次世代型バス
「Arrival Bus」を開発

当たり前と思っていた日常を一変させてしまった新型コロナウイルスの感染。この世界的危機と言える状況下では、多くの情報が行き交い、あっという間に現在が過去になっていくような変化の激しい日々が続いています。

“過去を見つめることから未来をつくり出す”ことを実践してきたクリエイティブユニットSPREADは、コロナ禍において行動を起こしたクリエイティブな活動をリサーチし、未来を考えるヒントを探ります。本ウェブでは、SPREADが特に注目するものを毎日1本ずつ紹介していきます。

今日のトピック

イギリスの電気自動車を製造するスタートアップ企業、Arrivalは、コロナ後の次世代型公共交通機関としてのバス「Arrival Bus」を、6月17日に公式HPで公開しました。すでに生産の準備が整っており、2026年までに世界中に1000台を配備する目標を立てています。

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「Arrival Bus」は、排気ガスゼロおよびコロナウイルスの感染リスクが低い公共交通機関を実現するために開発されました。スマートフォンで停車場所を指定できたり、タッチせずに反応する停車ボタンや、乗車人数が政策により制限された際、増減できる取り外し可能な座席、座席間に設置された透明な仕切りなどを装備しています。

また、天井部と大きな窓から自然光をたくさん取り込むことができます。バスの内側と外側にある画面には、運行ルートの混雑状況と利用可能な座席数の情報が表示されます。座席数は、外出する前にスマートフォンでも確認できるので、密を避けることができそうです。

実は私は、コロナウイルスが日本で流行してから、一度も公共交通機関に乗っていません。仕事で外出しなければいけない場合は、徒歩か自転車、車で移動をしています。ですが、コロナ禍になってから数カ月が経過した今、そろそろ電車やバスに安心して乗れるような具体的な対策を待ち望んでいます。

本当に感染リスクを抑えるには、席を減らしたり、つり革を減らすだけでは不十分でしょう。減らした座席に座っても、その前に人が立ってしまっては元も子もありません。たとえお互いにマスクをしていたとしても、混み合って密になった空間には不安を感じます。

手袋をしていればいいのかもしれませんが、ボタンに触れることすらできないことにショックを受けました。今まで無意識に行なっていた当たり前の行為を否定されることが衝撃的だったのかもしれません。好きな人に触れたり、落ち込んでる友人の肩を抱くこともできないなんて、言い過ぎかもしれませんが、人生の醍醐味がなくなると思ってしまいました。

これからの公共交通機関には「Arrival Bus」のようにハードウェアと、アプリケーションを利用したソフトウェアを組み合わせることが重要です。さらに乗車する人数自体を減らすシステムがあると、感染リスクを減らせるのではないでしょうか。End

参考記事>

Arrival
イギリスを拠点とする電気自動車メーカー。米国、ドイツ、オランダ、イスラエル、ロシア、ルクセンブルグのオフィスに1000人以上の社員を抱えている。2015年設立。

▲本プロジェクトをレーダーチャードで示しました。6つの属性のうち、成果物のデザイン性を「Creativity」で評価しています。「Pure & Bold」は目的に対して一途な強さを感じるか、やりきっているかという、SPREADが自らの仕事において大切にしている視点です。