日建設計、ロシアの石油会社のビジネス・公益拠点
「クリスタル船艇プロジェクト」の設計を担当

日建設計は、ロシアの石油会社「ガスプロムネフチ」が手がける、サンクトペテルブルク・オフト岬のビジネス・公益拠点の設計を担当することになった。

クリスタル船艇(Crystal Vessel)プロジェクト」と呼ばれるこの提案は、高さ28mの2棟からなる複合施設とネヴァ川を見渡す公園により構成されている。

複合施設には、展示会場、会議室、レストラン、カフェ、スポーツセンター、医療センター、および多様な公共公益機能のためのスペースを設けるほか、ガスプロムネフチ社のオフィスに加え、同社の技術開発と国際プロジェクトのための管理センターが整備される予定だ。

さらに、2つの建物をつなぐ屋外通路に設置される予定の屋外展望施設は、同施設のもっとも特徴的な空間になるという。

また、オフタ岬先端のランドスケープは、サンクトペテルブルクの歴史的なランドマークとネヴァ川に敬意を払うように景観軸を設定。これにより敷地南東の交差点広場から、公園、ネヴァ川、スモルニー大聖堂とそれに隣接する公園まで、連続した景色が創り出されることになるそうだ。

サンクトペテルブルクは歴史的な建築が数多く残るロシアの水都で、あらゆる建築プロジェクトで歴史や景観への細心の注意と責任が欠かせないとされる。そこで同提案のコンセプトも、この街の歴史を尊重し、未来を見据えることを基本とした。

さらに、この場所が育んできた風土や海軍によりもたらされたロシアの発展の歴史との深いつながりを建築的に表現。世界に通用する建築を創造することで、この地域の開放性と親和性を高め、市民や観光客にとってアクセスしやすく魅力的な場所にすることが目標である。End