NEWS | 建築
2020.08.18 15:31
建築設計事務所 studio KANROは、鹿児島・種子島の旧饅頭屋をバリアフリーにリノベーションし、誰もが集まり泊まれる宿屋「境界なき宿屋 カモメ」をオープンするためのクラウドファンディングを実施している。
10年後に高齢者シェアハウスとして家主に返還する期間限定の宿屋で、広島で医療・介護・福祉に携わる人や大工・造作家具の職人とプロジェクトチームを結成し、種子島の人々と連携しながら活動しているという。
同事務所は種子島にて、家主が元々植物博士だった空き家をリノベーションし、10年後家主に返還する「泊まれる植物館 あずまや」を2018年に完成。
「カモメ」はこれにつづくプロジェクトで、介護が必要だけど旅行がしたい人たちは、施設がネックとなり、旅行先が選べないことがあり、そんな人たちにも利用してもらいたいという想いから、高齢者も障がい者も誰もが分け隔てなく安心して泊まれる宿屋を目指している。
そして、種子島では年々人口が減り高齢化が進んでいるなか、10年後には高齢者シェアハウス「やすらぎの郷」に生まれ変わる予定。高齢者の孤立を防ぎ、社会と交流のある人間らしい生活を高齢期においても維持していくためのシェアハウスになるそうだ。
また、カモメでは、今まで使われていなかった種子島産の自然素材を新たな利用法で建築に応用。鹿児島の伝統工芸とコラボし、福祉に特化した食器や家具を制作することにしている。