MVRDVが手がけた「青い空が来る」を
コンセプトにするショールーム NIO House

▲ Photograph:Li Zhaolin

中国・重慶にて2019年に完成した「NIO House Chongqing」は、同国のEVメーカー NIOのショールーム兼メンバー向け施設である。

NIOは中国名では「上海蔚来汽車」と書き、「蔚来」とは「青い空が来る(blue sky coming)」という意味になるという。同社はこうした楽観的な思考とブランド全体に浸透するイノベーションにもとづいており、各地にあるショールーム「NIO House」もこのようなコンセプトで設計されているという。

▲ Photograph:Li Zhaolin

▲ Photograph:Li Zhaolin

建築設計事務所 MVRDVがインテリアデザインを手がけた重慶のショールームは、Safdie Architectsが設計した新しい高層タワー「Raffles City Chongqing」のショッピングモール内にある。

▲ Photograph:Li Zhaolin

デザインの中心となるのは、階下のショールームと階上のメンバーエリアをつなぐ「3D City Mix」と呼ばれる階段である。重慶市のスカイラインにインスパイアされたもので、急峻な丘の上に建物が層状に積み重なっているように見える光景をデザインに落とし込んだ。

▲ Photograph:Li Zhaolin

▲ Photograph:Li Zhaolin

パネルを層状に並べて階段を隠すとともに、その下にはスタッフルームなどの実務スペースを配置。パネルの多くにはさまざまな木材を使用しているが、NIOの「青い空が来る」というコンセプトから、一番上に設置したパネルはブルーの大理石で仕上げた。

▲ Photograph:Li Zhaolin

ショッピングセンターに面したショールームのファサードにもブルーの大理石を採用することで、NIOによる環境への配慮と未来志向のマインドを表現している。

また、メンバー向けのさまざまなスペースも木材で仕上げ、ラグジュアリーでありながらも遊び心のある空間を演出。両フロアの外縁には、木材を敷いた「リバーウォーク」があり、訪れた人は目の前に広がる河川の景色を楽しむことができる。

▲ Photograph:Li Zhaolin

▲ Photograph:Li Zhaolin

一方、自動車の展示スペースは床、天井、壁を白で覆い、フォトスタジオのようにすることで、NIOのEVを最高の状態で披露できるそうだ。End