国産地域材と地元の匠の技をつなげて
共通デザインの家具を製作するプロジェクト

▲ 上段左からタケ、スギ、クス/下段左からブナ、ケヤキ

純国産家具を専門に販売するフォレストヴォイスは、国産地域材と地元の匠の技をネットワークでつなげ、共通デザインの家具を製作する取り組みを行っている。

その第1弾として、全国5工房が製作したスツール「森(きりん)/giraffe」が2020年12月1日(火)より同社のショールーム・ECサイトなどで販売を開始される。デザインは、新潟県糸魚川市の工房が担当。名称はキリンが一歩踏み出したような形にちなんでいるという。

▲ 糸魚川の匠とブナの「森(きりん)/giraffe」

今回は新潟県糸魚川市のブナ、岡山県真備町のタケ、神奈川県横須賀市のケヤキ、福岡県大川市のクス、奈良県吉野地方のスギの5つの樹種と工房を厳選。それぞれ樹種や工房の技によって異なる色・艶・模様・手触りなどが楽しめるそうだ。

▲ ブナ(新潟県糸魚川市):重く重厚感のあるブナ材。座面の曲線はカンナ削りの匠の技が光る

戦後造成された人工林は本格的な利用期を迎えており、国産材需要を拡大することが日本の林業において急務だとされる。一方で家具業界では、「国産家具」でも木材は外国産がほとんどで、国産材を使って作られる本当の「メイドインジャパン」は多くはないのが現状だ。

同社では、樹ごとに個性があり、その個性を活かすのが匠の技の見せどころだとして、木材と匠を適切に活かす「地産地匠」や「適材適匠」を推進。こうした取組みを通じて、地域材の有効活用と林業・家具業界に携わる人々を活性化していくことを目指している。End

▲ タケ(岡山県真備町):竹割り、炭化、乾燥、削り、貼り合わせ等の他の木材よりも加工工程が多い

▲ 竹のミルフィーユ状の模様が繊細で美しい

▲ ケヤキ(神奈川県横須賀市):木材の加工から塗装まで全て一人で行う

▲ 独特の赤っぽい色合いは美しく高級感がある

▲ クス(福岡県大川市):大川家具の職人が製作

▲ アートのような木目や独特の香りが特徴

▲ スギ(奈良県吉野地方)

▲ 真っ直ぐと伸びたきれいな木目が目を引く