折紙工学の知見と金属加工技術を活用して
新しい板金加工プロダクトが開発へ

▲オリガミ椅子

試作板金部品を製作する浅野と、東京大学発ベンチャーのNature Architectsは、浅野の持つ金属加工技術と、Nature Architectsの保有する次世代設計技術を融合した、新しい板金加工プロダクト開発に向けた事業提携を実施する。

Nature Architectsは、メタマテリアルを活用することで従来の製品設計を革新する設計アルゴリズム「DFM」(Direct Functional Modeling™)を開発。DFMとは、メタマテリアルを用いて製品に必要となる部材ごとの機能を自在に設計し、図面を生成する設計アルゴリズムのことだという。

このDFMを使って、固さや柔らかさを高いレベルで制御することで、固い部材に振動吸収機能を埋め込むなど、これまでに実現できなかった新しい機能をパーツに付与することができる。さらに、フレームや稼働部などの部材ごとに必要なさまざまな機能を、分けることなく一体で設計・製造することが可能になるそうだ。

▲曲げに柔らかい金属板

今回の協業で、従来の金属では実現することが難しかった新しい機能を持った金属製品を実現できることを目指している。

例えば、板金に適切な加工を施すことで、狙った方向にのみ柔らかい金属板を造形したり、従来では組立が必要であったヒンジ部分などをひとつの部材で実現したりできるようになるとしている。

▲オリガミテーブル

また、折紙工学の知見を活用することで、1枚の金属板から複雑な造形物を組み立て無しで作ることや、1枚の金属板に適切な「折り目加工」を施すことで、ひとつの金属板を折ることで椅子や机のような複雑な造形物を造形することなど、さまざまな活用法が見込まれている。End

▲金属加工により実現したオリガミ椅子・テーブル