衣料品がウェアラブルデバイスに!?
MITが触覚を検知する特殊繊維を開発

▲画像提供:MIT CSAIL

呼吸や血中酸素濃度をモニタリングするウェアラブルデバイスの開発が進んでいるが、身体活動やスポーツをするときに身体がどのような動きをするのかを検出できるものはあるだろうか。

さらに、ソックスやシャツなどの形で着用して、そこからのフィードバックによってユーザーの動きを改善させるようなものはあるだろうか。

こうした課題に、米マサチューセッツ工科大学コンピュータ科学・人工知能研究所の研究グループが取り組んだ。つまり、特殊な繊維により触覚から人の動きを検知することができ、座ったり歩いたり、なにかをしたりと人が取る姿勢が特定できる、そんなウェアなのである。

研究グループはトレーニングやリハビリ向けのウェアの開発を目指しているそうで、支援施設に住む人の健康状態を受動的にモニタリングしたり、転倒や意識消失を見極めることも可能だという。

一般的な繊維のなかにユーザーの圧力を感知するカスタムメイドの機能性繊維を少し混ぜることで、ウェアは触覚デバイスとして機能するそうで、研究ではソックスや手袋、ベストまでさまざまなプロトタイプを開発。

研究グループによると、その利点は、従来のウェアラブルデバイスとちがって、市販されている大量生産の衣料品にも組み込むことができることにある。機械編みによって柔軟で伸縮性や通気性があり、さまざまな形をもつ触覚デバイスになり得るとしている。

センサーを使ってユーザーの姿勢を分析して改善ポイントを提案したり、アスリートの姿勢を記録してビギナーがそれを学べるようにしたり、あるいは将来的には、ウェアラブルデバイスのデータからさまざまな行動をロボットに学習させたりと、幅広い活用方法を見込んでいる。End