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2021.05.31 16:00
クラボウ化成品事業部は、建設用3Dプリンティング設備を大阪・寝屋川工場に導入し、セメント系材料を用いた小型~中型の立体造形物の受注生産を開始する。
近年、住宅購入者の趣味・嗜好の多様化や、商業施設などにおける独自性の高い空間演出、あるいは建設に携わる人手不足の問題と、建設業界では型枠を使わずさまざまな形状の立体造形物を短時間で成形できる3Dプリンターに対する関心が高まっている。
そこで同社は、フランスのスタートアップ企業 XtreeE(エクストリー)社製の3Dプリンターを導入し、材料選定や3D-CADの設計技術などの習得を通じて、3Dプリンターによる造形物の受注・製作体制の構築に成功したという。
導入した3Dプリンターは、最大で2,500mmまでの大きさの成形が可能。成形時間も短く、小型の1,500mm(幅)×200mm(奥行き)×300mm(高さ)のモニュメントでは、約30分で成形できるという。さらに、6mmの最小積層ピッチ(1層あたりの厚み)でプリントできるそうで、高精度な立体造形が可能だという。
すでに住宅や商業施設・公共施設向けの外構材やベンチ、モニュメントなどの景観材の製作をスタートしており、今後はよりサイズが大きい中型~大型の造形物や、高強度を要する造形物への対応力の向上を行うそうだ。
また、需要に応じて3Dプリンティングの設備増設やオンサイト(施工現場)でのプリンティング体制の構築も目指すとしている。