テキスタイルベースの電子楽器の機能性を拡張
MITメディアラボの「KnittedKeyboard II」

▲Credit: Irmandy Wicaksono/MIT Media Lab

音楽の世界では、電子音楽とキーボードの登場により世界中の人々がサウンドを制作・操作できるようになり、自らの創造性や表現を発揮して、その音楽体験を共有できるようになったという。しかし、従来のキーボードのほとんどは堅くて重い装置であった。

そこで米MITメディアラボは、ニットを用いたキーボード「KnittedKeyboard II」を開発した。パターンや配置、テクスチャなどさまざまな選択が可能で、柔らかくて変形しやすいニットの特性を生かした、インタラクティブなインターフェースをもつ新しいキーボードになっている。

▲Credit: Irmandy Wicaksono/MIT Media Lab

もちろん、衣服のように折りたたんだり、丸めたり、荷物に詰めこんだり、さらにはウェアラブルキーボードにしたりと、テキスタイルベースの電子楽器の機能性を拡張することもできるそうだ。

▲Credit: Irmandy Wicaksono/MIT Media Lab

MITメディアラボが手がけたプロトタイプでは、デジタルニッティング技術を活用しながら、インターシャやインターロックといったパターンから、導電性や熱可塑性などの機能をもつ繊維、あるいはポリエステルのような機能性をもたない繊維までさまざま可能性を研究。

▲Credit: Irmandy Wicaksono/MIT Media Lab

▲Credit: Irmandy Wicaksono/MIT Media Lab

▲Credit: Irmandy Wicaksono/MIT Media Lab

できあがったニットキーボードはシームレスでカスタマイズされたもので、5オクターブをカバー。鍵盤は触れるだけでなく、手を近づけたり、伸ばしたり、押したりといった操作を同時に感知し、こうした演奏方法と、従来のキーストロークによる演奏方法、テルミンのように手を近づける非接触で表現豊かな演奏方法を組み合わせることもできる。

▲Credit: Irmandy Wicaksono/MIT Media Lab

また、このKnittedKeyboard II向けに「Fabric of Time and Space」という現代音楽作品も制作。グリッサンドやメジャーコードとマイナーコードの組み合わせ、そして演奏者とファブリックの相互作用により、時空の揺らぎを表現したそうだ。End

▲Credit: Irmandy Wicaksono/MIT Media Lab