墨田区と芝浦工業大学が共同発案
地域の安全と安心を包む「防災観光ふろしき」

芝浦工業大学の学生プロジェクト団体「すみだの’巣’づくりプロジェクト」は、東京都墨田区のNPO法人 燃えない壊れないまち・すみだ支援隊、および地域内外のボランティアと共同発案した「防災観光ふろしき」のクラウドファンディングを開始した。

2018年6月に完成した「防災観光ふろしき」は、災害時に活用できるように超撥水・防炎の布を使用した風呂敷で、そこに防災マップを印刷しているのが特徴だ。

避難経路や避難場所などが記載されている防災マップが日常的に活用されていない点に着目し、日常は風呂敷として、非常時は避難の道しるべとして使うことができる。さらに、超撥水性を活かしてバケツになったり、防炎性を活かして火の粉から身を守ったりすることもできるという。

また、美術館や博物館、小さな博物館や伝統工芸品の工房などの墨田区らしい観光情報も記載しており、地域の魅力を詰め込んでいる。風呂敷のイラストは江戸の浮世絵師・葛飾北斎が絵手本として発行した「北斎漫画」をモチーフとしており、生活の必需品だった風呂敷を使う様子も描かれている。

墨田区は、昔ながらの木造家屋が並ぶ下町風情溢れる街だが、一部地域は地震や水害による危険度が非常に高いそうだ。さらに、高齢化に伴う住民と行政、企業、福祉間の連携不足も指摘されているという。そこで、地域の防災を担う町内会や小学校などのさまざまな「つながり」を生み出すのも、このプロジェクト大きな目標となっている。End