コロナ禍の「都市の記憶」を提示する
PAN- PROJECTSの展示「The Matter of Facts」

▲PHOTO CREDIT:PAN- PROJECTS

英ロンドンを拠点に活動する建築家ユニット PAN- PROJECTSは、インスタレーション「The Matter of Facts」を東京・六本木の国立新美術館にて2021年12月20日(月)まで公開している。

PAN- PROJECTSはこれまで、場所の持つ固有の文化や歴史、複雑に絡み合う要素を見つめ、その調和を試みるプロジェクトを展開してきた。

「The Matter of Facts」は、東京都内の公共機関や商業施設で発行された広報物、とくにコロナ禍で中止・延期となったイベントなどの印刷物を素材として使用。これらを「都市の記憶」として再提示し、同館1階中央インフォメーションカウンターに一体化させて展示している。

▲PHOTO CREDIT:PAN- PROJECTS

▲PHOTO CREDIT:PAN- PROJECTS

▲PHOTO CREDIT:PAN- PROJECTS

▲PHOTO CREDIT:PAN- PROJECTS

大量の印刷物は、事実や事柄(=facts)の伝達手段であり、痕跡でもある。その集積で構成される同作では、コロナ禍の「都市の記憶」を留め、私たちが生きる「現在地」を新たに捉えることを目指したという。

同スタジオは、「The Matter of Facts はCOVID-19 に社会が影響を受け始めた時期以降の印刷物を集積した物体であり、これらは大きな流行の中で起こった、もしくは起こらなかった事柄を映し出す」と述べる。

▲PHOTO CREDIT:PAN- PROJECTS

▲PHOTO CREDIT:PAN- PROJECTS

▲PHOTO CREDIT:PAN- PROJECTS

▲PHOTO CREDIT:PAN- PROJECTS

▲PHOTO CREDIT:PAN- PROJECTS

そして、「不安が我々の信ずるものの基盤の揺らぎ、つまりは捉えどころの無い情報の錯綜に端を発するものであるのであれば、今我々にできることは事実を事実として認識することのできる事実のみを拾い集め、その行為を通して我々の現在地を把握し直すことではないか」とそのコンセプトを語っている。End

▲PHOTO CREDIT:PAN- PROJECTS

PAN- PROJECTS「The Matter of Facts」

展示期間
2021年8月11日(水)~12月20日(月) 観覧無料
毎週火曜日休館 ※ただし11月23日(火・祝)は開館
会場
国立新美術館
詳細
https://pan-projects.com/