空気からできた香水
スタートアップAir Companyの「Air Eau de Parfum」

▲画像: Air Company

米ニューヨークを拠点にする「Air Company」は、「空気からプロダクトを作る」ことを行うスタートアップである。このサイトでも以前、サスティナブルなウォッカ「Air Vodka」を紹介した。

▲Air Eau de Parfum 画像: Air Company

同社が新たに発表したのは、世界で初めてとなる空気からできた香水「Air Eau de Parfum」である。その仕組みはこうだ。まず、従来の発酵用プラントや工業用アルコールプラントから大気中に放出されるCO2を回収。これを冷却・加圧・液化させる。

その一方で、電解装置を使って水を水素と酸素に分解。酸素は大気中に放出されるが、水素は先ほどのCO2とともに変換反応器(Carbon Conversion Reactor)に入れられ、不純物のないアルコールに変換される。

ちなみに変換反応器の内部は管状になっており、CO2と水素は管の上部へと上昇。そこには同社独自の触媒があり、化学反応が生じて、エタノール、メタノール、水で構成される液体を生成する。

さらに、この液体から各物質を独自の蒸留プロセスで分離。エタノールと水は、不純物の混入を防ぐために大きなスチール製の容器に入れ、手作業でゆっくりと混ぜ合わせて、最後に香りづけが行われるそうだ。

同社のねらいは、気候変動を遅らせるためにできるだけ多くのCO2を活用することにある。そこで、アルコールをベースとするプロダクトを製造することにした。使用する電力は91%が風力、9%が太陽光だとしており、1瓶あたりのCO2削減量は0.036kgとしている。

フレグランスはフレッシュなシトラス系になるようで、容器のデザインはクロムキャップ、ホワイトキャップ、キャップなしの3種類を用意。アメリカ国内で予約注文を受け付けており、2022年初頭に出荷される予定だ。End