広島県大竹市に坂茂が手がけた「下瀬美術館」が開館

Photos by SIMOSE

広島県大竹市に、瀬戸内の自然と現代建築が溶け合う新しい美術館「下瀬美術館」が2023年3月1日(水)に開館した。2018年に丸井産業の創業60周年を機に構想された美術館で、代表取締役の下瀬ゆみ子と、先代である創業者の下瀬福衛と下瀬静子が収集したコレクションを保存・公開している。

同館の建築設計は、建築家の坂茂が手がけた。海岸線と平行に並び建つ3棟(エントランス棟、企画展示棟、管理棟)があり、渡り廊下を含めたすべての外壁が長さ190m、高さ8.5mのミラーガラス・スクリーンで一体化されている。建物の海側には水盤が設けられており、その上に色とりどりのカラーガラスに覆われた8つの可動展示室がある。またその隣には、アール・ヌーヴォーを代表する工芸家エミール・ガレの作品に登場する草花を植えたエミール・ガレの庭も造園されている。

施設内のロゴやサインのデザインを手がけたのは、グラフィックデザイナーの原 研哉。ロゴマークは、海と平行する伸びやかな建築に合わせて、やや扁平なかたちの文字で表現している。

現在、下瀬コレクションの中から約150点を紹介する開館記念展「おひなさまと近代美術 丸平の人形からガレ、マティスまで」が2023年5月7日(日)まで開催中。企画展示室の大きなひな壇では、京都の大木平藏(丸平大木人形店)の雛人形や雛道具を展示するほか、可動展示室では、部屋ごとに異なるテーマで日本と西洋の近代美術を披露している。End

おひなさまと近代美術 丸平の人形からガレ、マティスまで

会期
2023年3月1日(水)~5月7日(日)
休館日
月曜日
開館時間
9:30~17:00(入場は16:30まで)
会場
下瀬美術館(広島県大竹市晴海2丁目10-50)
詳細
https://simose-museum.jp/exhibition/1.php