建築家 イオ・ミン・ペイの本格的な回顧展
香港の視覚文化美術館「M+」にて開催

I. M. Pei A Bankers’ Club in Hong Kong © MIT Museum Courtesy MIT Museum

香港・西九龍文化区にある視覚文化美術館 M+にて、中国出身のアメリカの建築家 イオ・ミン・ペイ(Ieoh Ming Pei、1917–2019)の展覧会「I. M. Pei:Life Is Architecture」が2024年6月29日(土)から2025年1月5日(日)まで開催される。

I. M. Pei © John Loengard/The LIFE Picture Collection/Shutterstock

Fragrant Hill Hotel (1979–1982)の模型。Photo by M+, Hong Kong © Pei Cobb Freed & Partners

© The Oklahoman – USA TODAY NETWORK

ワシントンD.C.のナショナル・ギャラリー・オブ・アート東館、パリのルーブル美術館ルーヴル・ピラミッド、香港の中国銀行タワー、カタール・ドーハのイスラム美術館、滋賀県甲賀市のMIHO MUSEUMなど、数々の名建築を手がけてきたイオ・ミン・ペイ。同氏にとって初の本格的な回顧展となる今回は、美術館や個人が所蔵するオリジナルの図面や模型、写真や映像、さまざまな文献など、初公開も含めた300点以上の品々を展示する。

Grand Louvre © Giovanna Silva Commissioned by M+, 2021

Museum of Islamic Art © Mohamed Somji Commissioned by M+, 2021

Miho Museum © Yoneda Tomoko Commissioned by M+, 2021

展覧会は6つのパートに分かれ、これまであまり知られていなかった1960年代のアメリカでの都市再生プロジェクトから、ヘンリー・ムーアやザオ・ウーキーといったアーティストたちとのコラボレーション、コンクリートや石、ガラス、鋼鉄などの素材の使用と建設方法の探求、さらには歴史や伝統、生活様式、彼自身の出生地を通じた現代建築の再解釈まで、多様なテーマのもとで彼の人生と建築が不可分の関係にあることを紹介する。

また会期中は、イオ・ミン・ペイの息子であるリー・チュン(サンディ)・ペイを招いたトークショーや、イオ・ミン・ペイの建築をテーマとした上映会を開催。7人の国際的な写真家が撮影した同氏の建築写真もあわせて展示される。

© Marc Riboud/Fonds Marc Riboud au MNAAG/Magnum Photos

© Calvin Tsao

同展のキュレーションを担当するシャーリー・スーリヤ(Shirley Surya)とエリック・チェン(Aric Chen)は、イオ・ミン・ペイの建築について「地域性のあるものからインスピレーションを得て、グローバルなものへと具体化してきました。つまり彼の作品は、一方で芸術や文化の理想を表現し、他方で都市のスカイラインを形成しています。また関係者との対話やアーティストとのコラボレーションによって、彼の革新的な建築様式と巧みなエンジニアリングが生まれたのです」と解説する。

世界的に有名な建築家でありながらも、まだなお理解されていない部分も多いイオ・ミン・ペイ。彼が人々や都市、世界に与えた影響を明らかにする回顧展となるだろう。End

I. M. Pei:Life Is Architecture

会期
2024年6月29日(土)~2025年1月5日(日)
会場
M+
詳細
https://www.mplus.org.hk/en/exhibitions/i-m-pei-life-is-architecture/