NEWS | 工芸 / 建築
2024.07.30 15:00
佐賀県佐賀市大和町では、300年以上の歴史をもつの重要無形文化財「名尾手すき和紙」が受け継がれている。しかし、昭和の初めごろまでは名尾地区で100軒以上あった和紙工房が、現在では1軒だけとなった。
その工房は、2021年8月の豪雨による土石流の被害を受け、2023年8月に新しい工房を移転。そして2024年6月、工房に隣接した直営店「KAGOYA」が開業した。
建築設計・インテリアデザインは、工房も手がけたStudio Hashimuraの建築家 橋村雄一が担当。製作の現場で活気のある工房と対照的に、完成した紙の魅力を引き立てる静かな蔵のようなデザインとした。
店内では、全紙サイズの名尾和紙をはじめ、和紙や梶の木を用いたプロダクトの販売、職人による作品の展示・販売。また、従来の紙やステーショナリーをはじめ、パッケージやインテリアなど、多彩な用途で使われる和紙の可能性を表現するため、100種類の和紙を用いた、100種類のケーススタディを常設展示している。サポートディレクションはmethodのバイヤー 山田 遊が担当。名尾手すき和紙の新たな思考や技法を感じ、「これまで」と「これから」を体現する店内構成となっている。
また、ギャラリースペースでは、和紙を用いた空間提案や、和紙職人による作品の展示・販売を開催。名尾手すき和紙の6代目・谷口祐次郎の作品、7代目・谷口弦が率いるアートコレクティブ「KMNR®」や個人名義の作品なども紹介する。
そのほか、自動BGM構築システム「AISO」を導入し、佐賀県出身のサウンドデザイナー 日山 豪による、和紙と周辺環境から集音した音源を店内BGMとして展開。また、今後は梶の木を原料としたインセンスも開発・販売するなど、名尾手すき和紙を五感で感じる企画も展開していく。
名尾手すき和紙 直営店「KAGOYA」
- 開店日
- 2024年6月22日(土)
- 住所
- 佐賀市大和町大字名尾4674-1
- 営業時間
- 9:00~17:00
- 定休日
- なし ※正月、盆期間を除く
- 詳細
- https://naowashi.com/showroom/