NEWS | 建築
2025.03.13 10:38
Photos by Virgile Simon Bertrand
経済・文化・政治の中心地であり、デジタル・テクノロジーをはじめとする多様な産業が急成長する北京に、展示・会議施設「首都国際会展センター(CIECC)」がオープンした。北京で最大規模の展示会場として、中国全土や世界各地から訪れる人々を受け入れる。
ザハ・ハディド・アーキテクツ(Zaha Hadid Architects)が設計を手がけた同施設は、61万平米を超える敷地に9つの展示ホール、3つのレセプションホール、9,000人収容の会議センターを完備。また、410室からなるホテルを併設する。
中央には南北に貫く広場を設け、9つの展示ホールを東西に配置。広場の上には「リボン」のような遊歩道を設けることで、展示ホールや会議センター、ホテルの回遊性を高めている。敷地北側に位置する会議センターとホテルは、展示会やイベント開催時に広場としても活用できる。
ホールの複合屋根システムは、断熱性に優れた軽量の大スパン構造を採用。柱がない広々とした空間で、展示内容や使用用途の変化に柔軟に対応する。
深い銅色で統一された流れるようなプリーツ状のファサードは、ザハ・ハディド・アーキテクツの独創的な美的感覚を象徴し、施設全体に重厚感を与えている。
また、中国のグリーンビルディング認証プログラムで最高評価を取得。ハイブリッド換気システムによるスマートビル管理システムを備えるほか、高効率の空調制御システムを介して最適な自然換気を確保するなど、室内の空気を清浄に保ちつつエネルギー消費を抑制する。施設全体で雨水の収集、排水のリサイクル、太陽光発電を導入し、自治体からの水とエネルギーの供給の削減に貢献している。