ザハ・ハディド・アーキテクツがマルタ島のマーキュリーハウスを改装
「マーキュリータワー」として新たなシンボルへ

地中海の真ん中に位置し、貿易と観光の中心である島国・マルタ。2017年には約250万人の観光客を迎え、今後も成長すると見込まれている。

その東海岸に位置するパーチャビル(Paceville)は、50年にもわたり島の観光と娯楽の中心地として栄え、継続的な成長に向けた新プロジェクトが現在も進められている。

なかでも、1903年に作られた古いファサードを残す建築であるマーキュリーハウス(Mercury House)の改装と再開発は、マルタのダイナミックな都市環境のなかに、住宅用アパートメントとブティックホテルを統合したものだ。

今回、ザハ・ハディド・アーキテクツは、マーキュリーハウスの外観を復元しつつ、31階建ての「マーキュリータワー」を新たに建設する。

断熱効果を施したファサードと直射日光が当たるエリアでのガラスの使用を制限することにより、遮光を行い、タワー全体の熱性能を高めるように設計されている。また、地元に暮らす人々の快適性や風の影響にも配慮している。

マーキュリータワーの建設では、豊かな新しい市民空間の創造と、公共・住宅・商業施設の多様性が結びついている。建築遺産の改修は、島の将来的な社会・経済的発展に応えるものとなるだろう。End