東京・玉川高島屋にフードコート「P.」誕生
グラフィックは安田昂弘、空間は元木大輔が担当

Photos by Max Houtzager

東京都世田谷区の玉川高島屋 S・Cは、2025年4月に東急・二子玉川駅方面と二子玉川商店街をつなぐ西館ストリートのリニューアルを行い、1階に4店舗で構成されるフードコート「P.(ピー)」を開業。

「P.」プロジェクトでは、安田昂弘(CEKAI)がプロジェクトディレクションとグラフィックデザインを担当。インテリアデザインは元木大輔(DDAA)、飲食ディレクションはMax Houtzager(マックス・ハウゼガ)が手がけた。

「P.」という名称は、「Public(パブリック)」を起点に、「Park」「People」「Pass」「Play」「Place」「Private」などのさまざまな言葉を重ね合わせたものである。後ろに置かれたピリオドは、あらゆる意味を内包する省略記号として使われており、奥行きを感じさせる空間を象徴している。

今回のリニューアルでは、国道246号線から一本西に入った西館ストリート(アレーナ通り)の歩道の一部を拡張。植栽帯を新たに作り、公園や広場のように居心地よく過ごせる石畳の新しい通りへと改装した。

これに伴い、店舗の外構をセットバックさせて広がった歩道沿いに、フードコート「P.」を新設。ワインレストラン「Mini Massif(ミニマッシーフ)」、ネパール料理レストラン「ADICURRY(アディカリー)」、デンマークのクラフトビールブリュワリーが手がけるレストラン「Mikkeller Burger(ミッケラーバーガー)」、ニューヨークスタイルのピザ店「PIZZA SLICE(ピザスライス)」の4店舗が集結し、地域に根ざした多様な食と文化を発信する。

4つの店舗とそこに集う人々は、食や飲み物を通じたコミュニティ「P.friends」を構成。フードコートの中心には、街に向かって大きく張り出したテラコッタ色の「P」字型カウンターを設置した。また、ファサードには大きな引き戸が設けられ、どこからでも出入りが可能。天気が良いシーズンには戸を開放することで、通りと店舗が一体化した空間が生まれる。

さらに、ファサードの一部には回転窓を採用。窓を開け放すと、内外が連続したカウンターテーブルを形成する。店内の床にも通りと同じ石畳を敷くことで、内外の境界をあいまいにし、街との自然なつながりを創出している。End

P.(ピー)

オープン日
2025年4月29日(火・祝)
住所
東京都世田谷区玉川3-17-1 玉川高島屋 S・C 西館1F
営業時間
9:00~23:00
※営業時間、ラストオーダーは店舗によって異なる。
詳細
https://p.ublic.jp/