スノヘッタが手がける、AIを活用した
サスティナブル素材のカーペット「MATTER」

カーペットコレクション「MATTER」
Photos by Simen Øvergaard

ノルウェーの建築設計事務所 スノヘッタは、デンマークのカーペットブランド Ege Carpetsと共同で、カーペットコレクション「MATTER」を発表した。最先端の織機とサステナブルな素材を組み合わせた平織りのカーペットで、革新的なデザイン手法を用いているのが特徴である。

MATTERのデザインの軸は、パターンの生成方法の再定義にある。スノヘッタが開発したのはAIを活用したジェネレーティブデザインの手法で、自然界に見られるシステムの機能美から着想を得て、ランダム性を織りのデザインに落とし込むことを目指した。

一定のパターンをひたすら繰り返すのではなく、アルゴリズムによってランダム性を加えることにより、直線的ではなく、繊細で常に変化し続ける、生き生きとした織りの模様が生成される。それは自然界の秩序に近く、なおかつ予測不能な豊かな表情をもたらしてくれる。

カラーパレットは、18色の原色で構成される2種類を展開。落ち着いた色合いのベージュ/グレー系と鮮やかな色合いのブルー/グリーン系をベースとし、これら2色の組み合わせから、個性的かつ各空間に最適なデザインを生み出す。

素材は、環境パフォーマンスと美的感覚に優れたリサイクル糸を厳選して使用。さらに、廃棄物の抑制、耐久性の向上、人の往来が多い場所での長寿命といったサステナビリティも実現する。

今回のプロジェクトで両社がつくり上げたのは、単なるプロダクトではなく、コードからピクセルをつくり、そのピクセルをもとにした糸を紡ぎ、さらにその糸からカーペットを織り上げるという製造プロセスである。そこには、予測不能な表現や素材に対する新たな向き合い方、複雑さのなかに宿る美といった、デジタル時代ならではのクラフトマンシップが現れている。End