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6時間前
本連載では、課題解決に挑むアフリカの実践者たちの視点を伝えることによって、多様かつグローバルな「アフリカデザイン」の理解を深める。第5回は、写真家および画廊やメディアを運営するクリエイティブ起業家としてファッション、アート業界で活躍する南アフリカ人クリエイター、トレヴァー・スティールマンを紹介する。
「トンゴロ・ビューティー 5」。2024年にロンドンで開催された現代アフリカンアートフェア「1-54」のメインビジュアルに採用された作品。
「撮るのではなく、創る」という考えが活動の幅を広げた
バラク・オバマ元米大統領、ビヨンセをはじめとする著名人のポートレイト写真や、グッチ、ミニといった世界的ブランドとの協業など、写真家トレヴァー・スティールマンの経歴は輝かしい。2019年にはフォーブズ・アフリカの「30 UNDER 30(世界を変える30歳未満30人)」に、21年には米タイム誌の「次世代の100人」にも選出された。
スティールマンは、髪型、メイク、装い、ポージング、小道具、背景、人物の配置といったすべてのビジュアル要素をつくり込んだポートレイト写真を得意とする。「ストリートスナップが私の原点であり、それが今の活動に至っています。常に“人と文化”に焦点を当ててきました」と彼は説明する。今のアフリカには若者の都会的なファッションも、南アフリカのンデベレ民族やズールー民族の装いも、同時に存在する。彼にとってはいずれも“アフリカの今”を表す「人と文化」だ。