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2025.10.23 18:45

JPモルガン・チェースの新しいグローバル本社ビル「270 パーク・アベニュー」。ニューヨーク市で6番目に高い高層ビルである。
©️Nigel Young / Foster+Partners
建築設計事務所フォスター・アンド・パートナーズが手がけた、JPモルガン・チェースの新グローバル本社ビル「270 パーク・アベニュー」がニューヨーク・ミッドタウンに完成した。60階建て、高さ約423mを誇るこのタワーは、約23万m²(約250万ft²)に及び、最大1万人の従業員が働くオフィス空間を備える。

タワー中央部にある3層吹き抜けの「エクスチェンジ」は、16の異なる施設を備えたコミュニティハブとして機能する。ここはタウンホールミーティングやその他の大規模な集会のための空間も設けている。
©️Nigel Young / Foster+Partners
ニューヨーク最大の全電化タワーとなる本建物は、すべての運用電力を水力発電による再生可能エネルギーでまかない、建物使用中カーボン排出実質ゼロを達成。既存建築の解体材の97%をリサイクル・再利用するなど、環境性能の国際認証LEED Platinum v4と健康・安全性認証WELL Health-Safety Ratingの取得を目指している。

1階のロビーはメインエントランスとして機能する。モニュメンタルな階段と中2階を備え、スロープとエレベーターによりすべての人にインクルーシブなアクセスを確保している。
©️Nigel Young / Foster+Partners
敷地の制約を克服するため、柱が扇状に広がる革新的な構造と三角形のブレースを採用。建物を地上約24m(80ft)持ち上げることで、ブロック全体にわたって地面に軽く接する構造を実現し、以前の建物に比べ2.5倍の屋外スペースを創出している。

建物を地上約24m持ち上げることで、パーク・アベニューの入口からマディソン・アベニューまで視線が貫通する。
©️Nigel Young / Foster+Partners
パーク・アベニューとマディソン・アベニュー沿いに歩道を拡幅し、マディソン・アベニュー側には庭園を備えた公共プラザを新設。同事務所が手がける383マディソン・アベニューの改修プロジェクトとともに、グランド・セントラル駅へのアクセス向上と地域の活性化に貢献する。

©️Nigel Young / Foster+Partners
270 パーク・アベニューは、ニューヨークのオフィス開発において、環境性能と都市空間の質を両立させた新たな一例となっている。![]()












