建築家ユニット・手塚貴晴+手塚由比、
初のエッセイ集『いのちの建築』を刊行

「いのちの建築」手塚貴晴・手塚由比著、本体2,800円+税

建築家ユニット・手塚貴晴+手塚由比による初のエッセイ集『いのちの建築』が、12月11日に河出書房新社から刊行される。ふじようちえんや屋根の家など数々の建築を手がけてきたふたりが、30年にわたる設計活動の思想をまとめた一冊だ。

OECDとUNESCOにより「世界で最も優れた学校」に選ばれたふじようちえんは、子どもたちが楕円形の屋根を自由に走り回る幼稚園として、教育と建築の双方に影響を与えた。以来、住宅から大学、教会、病院、保育施設まで幅広い設計を行ってきた手塚建築研究所。その根底にあるのは、環境に寄り添い、人の生活を包み込む「居心地の良さ」への探究だ。

本書でふたりは、建築とは「いのち」を育む巣であり、設計はいのちを紡ぐ技をシェアする行為だと語る。「私は建築の専門家だけではなく、世の中のごく普通の人たちに読んでもらいたいと思って、この本を書いている」と手塚貴晴は述べ、「皆があたりまえだと思っていることが実は物凄く変だということを」気づいてほしいと問いかける。

世界環境建築賞の受賞、TEDトークでの世界的反響、子ども環境に関する国際的な研究など、ふたりの活動は建築の枠を越えて広がってきた。本書はその集大成であり、建築を志す人だけでなく、日々の暮らしに向き合うすべての読者に開かれた内容となっている。End