NEWS | 建築
2025.12.11 15:29

Photo by Marco Antônio Lima / Prefeitura do Rio
ベルリンに事務所を構える建築家フランシス・ケレが、ブラジル・リオデジャネイロに公共図書館「Biblioteca dos Saberes(知の図書館)」の設計案を発表した。同氏にとって南米初のプロジェクトとなり、街の歴史と自然、コミュニティをつなぐ新たな文化拠点として期待されている。

上空から見た「知の図書館」 © Kéré Architecture
この図書館は、リオデジャネイロの中心地に位置し、閲覧室・ワークショップ・展示エリア・講堂、屋上庭園など、多機能な施設を備えている。建物の中心に据えられるのは、「知の木」と呼ばれる円筒状の塔で、自然光を取り入れながら館内を縦につなぐ。そのデザインは、リオの自然や地域文化への敬意と、同氏の出身地ブルキナファソの木々が集いの場となる文化を反映している。また、建物の外壁には、いくつもの通気孔が設けられており、日差しを遮りながらも涼しい風通しも確保する。

北側からの外観 © Kéré Architecture
敷地は、ブラジル初のサンバ学校「プラッサ・オンゼ」の跡地であり、オスカー・ニーマイヤー設計のサンボドロモに隣接している。同図書館は、地域の豊かな歴史を基盤に、アフロブラジル文化、先住民の知恵、リオのアイデンティティを形づくる伝統をたたえるものである。
同氏はこの図書館について、「過去と未来がひとつ屋根の下で出会い、知識が街と海を通じて世界へと繋がる場所になる」と語っている。公共図書館という形を超え、歴史・文化・自然・コミュニティを包み込む包容力ある建物は、リオの都市とそこに生きる人々にとって、これまでにない知の拠点となるだろう。![]()












