アートとデジタルテクノロジーを通じて、人々の創造性を社会へ開く活動拠点「シビック・クリエイティブ・ベース東京（CCBT）」が、2025年12月13日に渋谷から原宿へ移転しリニューアルオープンする。移転を機に、活動を地域と国際的な領域へ拡張予定だ。

リニューアルオープンに合わせ、年間テーマ「これからのコモンズ」を軸に、展示・公演・ワークショップ・トークなど多彩なプログラムを展開。「都市は、想像力を要求する。」をキャッチコピーに、都市やテクノロジーに向ける視点を更新し、ひとりひとりの想像力に働きかける取り組みが進められる。

SIDE COREのメンバー。左から松下 敬、高須咲恵、西広太志。　Photo by Shin Hamada

オープニングの中核は、アーティスト・コレクティブSIDE COREによるCCBT全館を使った特別展示「新道路」だ。2022年度CCBTアーティスト・フェローである彼らは、ストリートカルチャーの思想や都市空間の歴史を参照しながら制作を行う。今回は「移動」をキーワードに、違いを越えた協働や接続から生まれる新作を展開する。

12月13日には、音楽家・美術家・DJとして活動する小松千倫の共同キュレーションによるCCBT初の音楽イベントをスパイラルホールで開催（※事前予約制）。実験的テクノロジーと学際的アプローチを用いて「次世代の音のあり方」を探るプロジェクト「Sound Atlas」が本格始動する。第一弾となる「#1 極地からの音」は、人間の耳には聞こえない超低周波音（インフラサウンド）からインスピレーションを受けており、響き・漏れ・伝わっていく「音」の本質を、ライブ、パフォーマンス、DJ、インスタレーション、トークなど、領域を越えたコラボレーションで追求する。

12月13日・14日には、アーティスト、研究者、行政、デザイナーなど多領域の人々が参加するトークイベントも開催予定。世界や都市の最新動向を手がかりに、CCBTがこれから目指す共創へのヒントを探っていく内容となっている。

ブラウザツール 「Urban Ink」

リニューアルに向けたティザーサイトでは、都市を画材として遊べるブラウザツール 「Urban Ink」を公開。スマートフォンで撮影した写真からパーツを抽出して描画できる仕組みで、身近な環境を新しい視点で捉え、表現へとつなげる体験を促す。開発・アートディレクションは、CCBTリニューアルのビジュアルを手がけるクリエイティブチームNEW Creators Clubが担当。

さらに、これらのイベントの後には2025年度のアーティスト・フェローによる作品発表も続く予定だ。