NOT A HOTELが新ホテルブランドを始動
京都の宿坊再生と、ザハ・ハディド・アーキテクツによる沖縄プロジェクト

建築家やクリエイターが手がけるシェア型別荘事業を展開するNOT A HOTELは、初のホテルブランド「HERITAGE by NOT A HOTEL」と「vertex by NOT A HOTEL」を発表した。歴史的建築の再生と未来志向の新築という対照的なアプローチで、一般利用可能なホテル事業に参入する。

HERITAGE by NOT A HOTEL(CG)

HERITAGE by NOT A HOTEL(CG)

「HERITAGE」は、寺院や美術館などの歴史的建築を現代の感性で再解釈し、文化資産を未来へと継承するホテルシリーズ。その第一弾として、世界遺産・京都 東寺(教王護国寺)内に残るかつての宿坊をリノベーションする。建築が生み出す収益を修復・保全へと循環させることで、建物そのものと地域文化の持続可能性を支える点が特徴だ。

vertex by NOT A HOTEL(CG)

一方、「vertex」は、先端的な建築とテクノロジーを統合するホテルシリーズ。第一弾は沖縄を舞台に、ザハ・ハディド・アーキテクツが日本で初めて手がけるホテルプロジェクトとして始動する。設計は地形と生態系への配慮を徹底し、海岸線に沿った段状テラスと琉球石灰岩の輪郭を踏襲した構成が特徴。キャノピーは沖縄の伝統建築に見られる深い軒を現代的に再解釈したもので、海へと連なる屋外空間を形成する。琉球松や地元採石場の石灰岩、島の工房で作られた陶器など、地域素材と職人技を随所に取り入れた。また、高潮線から6.5メートル以上の高さを確保し、台風・地震への耐性と自然換気の促進を両立させている。

vertex by NOT A HOTEL(CG)

歴史的建築の保全と最先端建築の実験という両極的なアプローチを通じて、NOT A HOTELはこれまでのシェア型別荘事業で培った建築思想を、より広い層へと展開していく。両ブランドとも開業時期は未定。End