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諏訪綾子 著『フードクリエイション | 感覚であじわう 感情のテイスト』


『フードクリエイション | 感覚であじわう 感情のテイスト』

諏訪綾子 著(青幻舎 2,800円+税)

フードアーティストという肩書きの諏訪綾子。自身の活動を「フードクリエイション」と名付け、同名タイトルを掲げる本書では、これまでに手がけた数々のプロジェクトを紹介する。

アラン・デュカスが本書の帯を飾り、巻頭には諏訪からのメッセージ「たべることは生きること あじわうことは進化すること」という文字が目に飛び込んでくる。

諏訪の活動は、期間限定で世界各地に出現させるパフォーマンス「ゲリラレストラン」や、この4月26日からスタートした金沢21世紀美術館(「好奇心のあじわい 好奇心のミュージアム」 フードクリエイション+東京大学総合研究博物館 2015年3月31日まで)でのプログラムに表れているとおり、表現としての「食」であり、「食」を通じた新たな体験によって、人が「食べること」にどう関わっていくかを感覚的、本能的に刺激するものだ。

本書は、2006年以降のプロジェクトを豊富な写真と解説、スケッチなどによってまとめた作品集だ。グルメでもなく、栄養源でも食糧でもない、新たな「食」との関わり。金沢21世紀美術館でのプログラムとともに、本書を開けば諏訪の意図がより明確に伝わってくるようだ。

B5判、並製、160ページ。