木目、和紙、金属メッシュなど、
ガラスフィルムは意匠の時代
「3M ファサラ ガラスフィルム」

照明を落とした空間に浮かび上がる、さまざまな意匠を凝らしたパネル。これらは木目や和紙、ファブリック、金属メッシュといった33種類のテクスチャーを持つ「3M ファサラ ガラスフィルム」だ。4月14日(金)に開催された1日限りの製品発表会を取材した。

建築の価値を高めるガラスの意匠

スリーエム ジャパンが発表したのは、ガラス表面を装飾する「3M ファサラ ガラスフィルム」の新柄33種類。同社コンストラクションマーケット事業部マーケティング部長の八島道夫氏によると、「近年、建築・設計の現場でガラスを用いるケースは増えている」と言う。オフィスのミーティングルームでは、空間に開放的な印象を与えるためにガラスを使うことが多いが、一方で「外から見えすぎると困る」という声もある。そうした開放性と機密性のバランスを取るためにガラスの上に装飾用フィルムを貼るが、これまで柄のバリエーションが少なく、「思うような意匠をつくりにくい」という設計者の悩みがあった。

▲ スリーエム ジャパン コンストラクションマーケット事業部マーケティング部長の八島道夫氏。「ミラノサローネなどを視察してデザイントレンドを調査し、デザイン開発に役立てている」と語る。

そこで同社は、「自然素材を活かした新しい切り口」「デザイン性を高める色の展開」「鏡のような視覚効果を使った演出」をコンセプトに、新たなガラスフィルムを開発。ドットやストライプといった幾何学模様が主流だったラインアップに、木や石、布といった素材のテクスチャーを取り入れたものや、シャンパンゴールドやパールホワイトといった高級感のあるカラーバリエーションを加えた。

▲ 木目のガラスフィルム「Frost Walnut」。

新柄の開発では日本やイタリア、米国などデザイナーと協業して150を超えるアイデアを集め、世界中のトレンドを見据えながら候補を絞り込んだという。柄の表現には、世界中にガラスフィルム製品を供給している山形の工場で試作を繰り返した。八島氏は、「ガラスフィルムの基本的な機能である飛散防止や紫外線カットといった効果に加えて、建物や空間の価値を高めるための選択肢になれば」と意気込みを語る。

▲ 会場に吊るされた36枚のパネルは、ネイチャー、ファブリック、ストライプといった5つのテーマにゆるやかに分けられた。

「立体見本帖」のような体感空間

発表会の展示や会場設計を担当したのはトラフ建築設計事務所。新柄を貼った900mm☓1,500mmの36枚のアクリルパネルを天井から吊り、「立体見本帖」のような空間をつくり上げた。

これらの大判パネルのいくつかは、スリーエム ジャパンが製品紹介のためにもともと持っていたもの。トラフの鈴野浩一氏は、「通常、設計者はフィルムの見本帖を取り寄せて検討します。しかし、ほとんどの見本は小さく、実際のイメージがわかりにくいことが多い」と話す。不透明度のイメージが異なったために、貼り直したプロジェクトもあったそうだ。

しかし、大判サイズの見本であれば、実際にその前に立ったり人の動きを見ながら、テクスチャーや映り込み、透過性などを体感することができる。今回の会場設計で大判パネルが増えたことで、今後もショールームなどでの展示が可能となる。

▲ トラフ建築設計事務所の鈴野浩一氏。今回のインスタレーションのタイトルは「Landscape of 3M Fasara Glass Film」。

鈴野氏は「オフィス設計といった僕らのプロジェクトでも、ガラスフィルムを使う機会は多い」と話す。「アパレルブランドなどではアイコン的なグラフィックを入れたフィルムを特注することもあります。ただこれだけ種類が増えれば、工夫次第でオリジナリティの高い表現が可能になる」。

特に鈴野氏が気になるのは、アルミ蒸着による金属メッシュ柄のミラー効果のあるデザインだ。「以前からこういうものがあったらいいなと思っていた」というミラー効果について、「鏡面がメッシュ状なのでギラギラせず、とても上品。屋外の植栽が映り込んだらきれいでしょうね」と具体的なシーンをイメージしていた。

▲ 金属メッシュのフィルムを貼ったパネルの前に立つと、向かい合わせの人の顔が映り込んで不思議な感覚に。

ほかにも会場では、新作を使った「トラフの実験パネル」を5枚設置した。細いストライプ柄を5mm厚のパネルの表裏に斜めに貼り合わせることで立体感のある格子模様にしたり、フィルムを45度回転させたり、上下逆に貼り分けることで不思議な模様や映り込み方を提案した。

▲ ストライプ柄を表裏から斜めに貼った例。「自動のガラスドアに貼って重ねたらいいなと思います」(鈴野氏)。

▲ 石柄のガラスフィルム「Pyrgos」。「これも僕のお気に入りです。光を当てると両面から見てきれいで、透ける石のよう」(鈴野氏)。

新たに33の柄が加わったことで、「3M ファサラ ガラスフィルム」は全部で112種類。これだけの数が揃うのは同ブランドだけだという。価格は製品によって幅はあるが、1㎡あたり施工を含めて1万4000円〜1万6500円、特約店を通じて販売する。

新たな意匠が加わった本製品は、ガラスの透過性や重なりにより、さまざまなデザインの可能性を秘めている。より設計者やデザイナーのインスピレーションを掻き立て、表現の幅を広げてくれるに違いない。

▲ 5月31日までアクシスビル1階のインテリアショップ、リビング・モティーフのガラス面にも「3M ファサラ ガラスフィルム」が貼られている。

「3M ファサラ ガラスフィルム」に関する問い合わせ
カスタマーコールセンター TEL: 0570-012-123
http://www.mmm.co.jp/cmd/fasara/