「メゾン・エ・オブジェ・パリ」9月展のテーマは
「コンフォート・ゾーン」


例年1月と9月に開かれるデザインとライフスタイル分野の見本市「メゾン・エ・オブジェ・パリ」。その9月展(9/8〜12まで)のインスピレーションテーマが発表された。

メゾン・エ・オブジェ・パリには、新しい消費傾向やライフスタイルの変化を先取りし、未来を予見するホーム・トレンド観測所というセクションがある。彼らは9月展に向けて、「コンフォート・ゾーン」というインスピレーションテーマを導き出した。トレンド観測所のコーディネイターであり、インスピレーション・ブックの編集長でもあるマリ-ジョー・マレは、テーマについて次のように説明する。

「不安定で不確かな世界の不快な領域を離れましょう。今こそ、自らの住まいでより良い生活を送るための新たな要素を取り入れるときなのです」。

ここでいう新たな要素とは、休息や平穏を求める人々のための、膨らみを帯びたり、体を保護したり、安心感を与えてくれるようなフォルム。または、泡や巣、さやといった包み込むような「コクーンネクション(コクーン+コネクション)」。もしくは、緊張感を和らげるようなグレーがかったパステルカラーや淡いピンクといった色彩を指している。

テーマは会期中に開かれる「イスピレーション・フォーラム」によってさらに掘り下げられ、「インスピレーション・ブック」も刊行される。本書を毎回欠かさず入手するというバイヤーは少なくない。

▲フランソワ・ベルナールが「脚のついた枕」と形容する家具。1から順に、「Gervasoni, Nuvola Sofa」「Cinna cover velour, Taupe Sofa」「AP Collection 1 Armchair」「AP Collection 2 Armchair」「Nilufar Celestino Sofa」。© DR

また、ホール7に設けられる「インスピレーション・スペース」の空間演出を担当するのは、クロワズマン社のフランソワ・ベルナール。

彼は、「快適さというコンセプトを中心に、出展者たちの製品を用いた入門書的な展示を考えています。インスピレーション・スペースは、メゾン・エ・オブジェ・パリの導入部分であると同時に結論でもあり、会場を見て回る前に役立つ、ひじょうに有効なステップとなるはずです」と抱負を語っている。

そこには、「脚のついた枕」のようなアームチェアであったり、オフィスや公共の場における「カプセル」や「起き上がり小法師」のようなスツールであったり、さらには「さや」のような個室空間であったりと、住まいに限らないインテリアデザインの提案を見ることができる。

さて、次回は「オブジェ」エリアのホール6が再構成されるなど、見本市全体が「新たな発見を促す会場構成」にブラッシュアップされる。9月8日の開催までは、出展各社の新製品情報やエキスパートが選んだデザインセレクションなどが参照できるデジタルプラットフォーム「MOM」(MAISON & OBJET & MOREの意)を参照して待ちたい。

▲コンフォート・ゾーンに隣接するブックカフェの空間デザインもフランソワ・ベルナールが手がける。パリのブックストア「107 Rivoli」がセレクトした快適さにつながる書籍や雑誌を展示する。

メゾン・エ・オブジェ・パリ 2017年9月展

会期
2017年9月8日(金)〜12日(火)
会場
パリ・ノール・ヴィルパント見本市会場
主催
SAFI
詳細
http://www.maison-objet.com/en
問い合わせ
メゾン・エ・オブジェ日本オフィス/株式会社デアイ
Tel: 03-3409-9495
E-mail: m-ojapon@deai-co.com