ギャラリーがミニシアターに?
建築家・中山英之氏の個展「, and then」開催
TOTOギャラリー間で2019年5月23日(木)から。

詩と建築をめぐる連載、「壁ぎわの記憶」の第2回にも登場いただいた建築家・中山英之さんの個展「, and then」がTOTOギャラリー・間で2019年5月23日(木)から~8月4日(日)まで開催される。

独自の繊細な作風で注目を集めている、中山氏の建築の魅力がどこから生まれてくるのか。建築模型や図面では伝えきれない研ぎ澄まされた感覚や思考、さらに作品がもつ魅力や質、完成後の時間の流れを映像で現す、一風変わった個展となる模様だ。

本展覧会ではギャラリー全体がミニシアターとなり、中山氏ではない5人の監督が今回のために撮り下ろした短編映画5作品を上映する。ロビーに見立てた展示室には、映画のメイキングや、撮影された建築を紹介するためのドローイング、模型なども置かれる予定。

建築は完成後、住まい手によってどのように使われ、どのような日常が繰り広げられているのか。中山氏は、建築家自身も知ることのできない「建築のそれから/, and then」が重要だと考えている。室内だけでなく、取り巻く周囲の環境も含めて、どのような時間が流れているのかをこれらの短編映画を通じて紹介する。

客観的な視点で自身の建築と向きあうユニークな視点に裏打ちされた、中山氏の「思想」と「実験」を提示する展示となるだろう。

以下は中山氏が本展覧会に向けたメッセージ。

この展覧会は、いくつかの映像からなります。過去に建ち、僕たち設計者の知らない時間を過ごしてきた建物たちを映したものが主です。だからこれは、建築の展覧会というよりも建築のそれから/, and then を眺める上映会、と言ったほうが正しいかもしれません。

「それから」の時間に建築家は関わることができないように、それぞれの映像も別人によって撮られ、編集されたものです。
だからこれは、ばらばらなイメージの並んだ小さな映画祭のような展覧会、と言うこともできるかもしれません。
もちろん映っている建築についてなら僕たちも、カーテンの開閉機構の仕組みから影響を受けた映画監督の言葉まで、全てを知っています。ギャラリーがこの期間だけ小さな映画館になるのなら、それらが展示されたロビーも忘れずに用意したいと思います。

もうひとつ。
映像には始まりと終わりがあるので、好きな時に行き、自分のペースで会場を回れる展覧会とは、ちょっぴり相性が良くないかもしれません。そんな意味でも展覧会には、できれば映画館に出かけるような気分で来てもらえたら嬉しいです。

中山英之展 , and then

会期
2019年5月23日(木)~8月4日(日)
11:00~18:00 休館日:月曜・祝日
会場
TOTOギャラリー・間
(〒107-0062 東京都港区南青山 1-24-3 TOTO乃木坂ビル 3F)
入場
無料
主催
TOTO ギャラリー・間