バルセロナのオペラハウス「リセウ大劇場」が
植物を観客として公演を再開

スペイン・バルセロナにあるオペラハウス「リセウ大劇場(Gran Teatre del Liceu)」では、新型コロナウイルスの影響でしばらく閉鎖されていたが、このほど公演を再開した。ただ、そこに招待されたのは一般市民ではなく、なんと「植物」だった。

この一風変わったコンサートは、コンセプチュアルアーティストのEugenio Ampudiaがプロデュース。劇場の席数は2,292席で、そのすべてに植物を設置した。

そして、オンライン生配信のコンサートとして、2020年6月22日(月)にプッチーニの弦楽四重奏曲「菊」が「UceLi Quartet」によって披露された。劇場を埋め尽くした植物は、地元の園芸店から調達したそうだ。

この取り組みについて、Ampudiaは「しばらくの間、私たちの多くは狭い空間にとどまり、移動することを諦めなければなりませんでした。その一方で、自然はぐんぐんと成長し、私たちが自然から奪ったスペースを取り戻しています」と説明する。

「自然は、そのリズムや生物のサイクルをようやく回復させたのです。共感の輪を広げて、他の生物との関係を大事にしてみましょう。その第一歩が、この大劇場でのアートと音楽なのです。自然をぜひ自分の暮らしに招き入れてみてください」。

ちなみに、この植物はすべて最前線で活動した医療従事者に贈られたそうだ。そして、アフターコロナの新しい時代には、人間と自然の関係も大きく変わる可能性があるだろう。End