6D 木住野彰悟がサイン計画を手がけた
埼玉県北本市の「my CLINIC」

米ニューヨークで開催される広告賞「THE ONE SHOW 2022」において、グラフィックデザイナーの木住野彰悟(6D)が手がけた、埼玉県北本市の新しいクリニックのVI・サイン計画がシルバーを受賞した。

1973年にスタートした「THE ONE SHOW」は、1975年に設立された非営利団体「THE ONE CLUB」が毎年開催している広告賞で、卓越した広告、デザイン、デジタルマーケティングを称えるアワードである。世界中のクリエイティブにとってもっとも名誉ある賞のひとつである。

今回受賞した「my CLINIC」は、広々とした芝生とカフェがある、地域に根ざしたオープンな施設。地域の人の健康向上のために、病気ではなくても気軽に立ち寄れるというコンセプトのクリニックである。

木住野は、「インフォメーションデザインは人の代わりに訪れる人をアテンドするコンシェルジュのような存在なので、ここではオープンで開かれた印象になるようなサインを計画した」と語る。

たとえば、通常のサインだと大きな盤面に文字が書かれているが、こうした盤面が空間や景色を妨げ、なおかつ設置にかかるコストや手間がかかってしまう。そこで今回、木住野はそれに代わるサイン計画を提案。盤面を使わずに、1本のパイプを曲げてアイコンや数字を作製した。

地面から生えた1本のパイプが駐車場や自転車置き場のサインになり、壁から突き出た配管のようなパイプが、カフェや薬局の数字や看板になる。1本のパイプを曲げるだけで、インフォメーションデザインとして成立し、なおかつ建物や空間を邪魔しないサインとなった。

パイプのみでサインを作ることで余分な素材や工事がなくなり、予算を削減。それとともに、公共の場に立つ看板のような親しみのあるサインができあがった。End