世田谷美術館の企画展
「土方久功と柚木沙弥郎――熱き体験と創作の愉しみ」が開催

土方久功《美しき日》1970年、世田谷美術館蔵 Photos by Norihiro Ueno

東京都世田谷区の世田谷美術館で土方久功(彫刻家)と柚木沙弥郎(染色家)の作品を紹介する企画展「土方久功と柚木沙弥郎――熱き体験と創作の愉しみ」が2023年11月5日(日)まで開催されている。

土方久功《猫犬》1974年、世田谷美術館蔵

土方久功(1900-1977)は、考古学や民族学への関心を背景に東京美術学校(現・東京藝術大学)彫刻科卒業後の1929年から1942年までパラオ諸島で過ごし、原始的な生活文化が残るミクロネシアの人物や風景を主題とした木彫レリーフやブロンズ彫刻、水彩画を数多く残した。

柚木沙弥郎《旗じるし》2011年、世田谷美術館蔵

柚木沙弥郎(1922-)は、東京帝国大学(現・東京大学)文学部美学美術史科で学んだ後、柳宗悦が提唱する「民藝」の思想や芹沢銈介の型染カレンダーとの出会いを機に染色家としての活動をスタート。鮮やかな色彩と大胆な構図の型染による作品から立体作品、絵本まで100歳を迎えてなお精力的な創作活動を展開している。

柚木沙弥郎《コップ》2011年、世田谷美術館蔵

同展では、世田谷美術館の収蔵品を中心に作家や遺族が所蔵する作品と資料を交えて、多彩な表現の広がりをもつ土方と柚木の作品世界を紹介する。

両者に直接的な接点はないものの、制作時に日常の身近なものや出来事に潜む面白さを創造の源泉としていた点が共通するふたり。幅広く行った創作活動のなかで響きあう土方と柚木の世界を堪能したい。End

土方久功と柚木沙弥郎――熱き体験と創作の愉しみ

会期
2023年9月9日(土)~11月5日(日)
開館時間
10:00~18:00(入場は17:30まで)
休館日
毎週月曜日 ※9月18日(月・祝)、10月9日(月・祝)は開館、9月19日(火)、10月10日(火)は休館
会場
世田谷美術館 1階展示室
(東京都世田谷区砧公園1-2)
詳細
https://www.setagayaartmuseum.or.jp/exhibition/special/detail.php?id=sp00215