「collage」

建築家・プロダクトデザイナーの黒川雅之が手がける「HERETHERE」は、ブランド初となる家具シリーズ「SIMPLICITY」と「collage」を発表。展示販売は2025年10月3日（金）から10月5日（日）までAZABUDAI HILLS GALLERY SPACE にて開催される。

「SIMPLICITY」は、建築や都市の基本的な構成要素である“垂直と水平”を家具に取り入れたシリーズ。黒川は「垂直と水平は人間の環境を形づくる根本要素だと考え、そこから家具を生み出した」と語る。無駄をそぎ落とした造形には、モダニズム建築を思わせる視点が息づいている。

「SIMPLICITY」

一方の「collage」は、ラフなスケッチから生まれた遊び心あるデザイン。XYZ軸の交点を椅子に見立て、水平面を座に、垂直面を背や肘掛けとして三次元的に構成された椅子である。幾何学的でありながら柔らかさを感じさせる造形が特徴だ。

対照的な発想から生まれた2つのシリーズだが、共通しているのは「人の感情に響く家具」という黒川の理念である。単なる機能性を超え、アートや建築にも通じる両義的な体験を与える点が、本シリーズの魅力といえるだろう。

HERETHEREというブランドがひとつの答えを提示するのではなく、人それぞれの感性にゆだね、対話を重ねながら「答え」を紡いでいく場でありたいと考えている。黒川の思索がかたちとなった家具を通じ、デザインと感性の新たな接点を体感したい。