家具ブランドkar、
形に執着しない「無相(Formless)」コレクションを発表

kar「無相(Formless)」コレクション

中国・広州の家具ブランドkarが、5周年を記念したコレクション「無相(Formless)」を発表した。「無相」とは、執着を解き放ち、流れる水のように形にとらわれず自在に転じることを意味する仏教思想だ。このコレクションにおいて、karの創設者でありデザイナーのスティーブン・ヨン(Steven Yeung)は、『金剛般若経』の「凡所有相,皆是虚妄(あらゆる形あるものは幻である)」という一節から着想を得て、固定観念から解き放たれた家具表現を追求した。

Formless Chair W.640 x D.540 x H.680mm

素材にはガラス繊維強化プラスチック(FRP)を採用。単層構造で手作業により成形されるため、表面には交錯する不規則な繊維の質感が現れ、裏面には繊維が白く浮き出る。光が透過する際に淡い陰影が生まれ、透明感と質感が共存する独特の表情を見せる。自然で不規則なシルエットと素材の特性が生み出す曖昧さが、「形に執着しない」佇まいを体現している。

Formless Round Table φ1000 x H.750mm/Formless Chair

カラーは1年の試作を経て開発された「モスブラウン」と「ジェイド」の2色。モスブラウンは土に潜む苔のように静かで深みのある色調、ジェイドは月光を湛えた白玉石を思わせる柔らかな色合いとなっている。

Formless Desk W.1200 x D.600 x H.750mm /Formless Chair

製作過程で生まれる手作業の痕跡は、あえてそのまま残されている。繊維の表情や気泡、継ぎ目の色の重なりなどが、一点ごとの個性を生み出す。ヨンは「心に完璧な”形”を描かなければ、不完璧も存在しません。物も人も同じです」と語る。

Formless Wall Shelf W.650 x D.150 x H.730mm

ラインナップは、チェア、デスク、ラウンドテーブル、コーヒーテーブル、キャビネット、ウォールシェルフ、花器を展開。End

Formless Vase φ250 x H.260mm